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「旅の重さ」

目的もなく、ふらっと入った本屋の、レンタルビデオで 目に入った「旅の重さ」のタイトル。昔の話題作がDVD化されて 復刻されているようだ。同じコーナーには 60年代 70年代の邦画が並んでいた。
「旅の重さ」は一度 見ている。劇場だったか テレビだったか憶えてないが、かなり以前のこと。部分的に鮮明に気憶に残っている ほんの一部分だったようだが。冒頭の母への手紙、熱で行き倒れの状態の時、老婆がバックを持ち逃げしようとする場面、最後の行商の男との生活。旅芝居の一座の場面は 全く憶えていない。
映画より先に 本の方を先に読んでいた。大学時代 古書店で見つけて読んだ。素九鬼子という 作者名に興味を持ったはずだ。読んでみたらよかった。素をもと と読ましているのが気に入って、わたしも 戯れにペンネームとして 佳話素真咲 と 佳話 素基という名をつけてた事がある。その直ぐあと 映画も見たと思う。当時 この作者 素九鬼子は、不明の人物だった。誰かの別名ではないか と なぞの人物とされていた。今回その件についてしらべてみたら、その後 本人が名乗り出て、愛媛に住む女性である事がわかり、他にも出版された小説がいくつかあり、直木賞候補にも3度挙げられている。ただ 今はまた 消息不明とのことだ。
本のイメージから、バッグを持ち去ろうとしたのは、腰の曲がったかなりの老婆だったと、想像していたが映画の人物は まだ 若さの残る女性だった。原作を読んで 空想を膨らませたあと、映像をみて、空想との違いにがっかりする事もあるが、この映画は 小説同様の面白さを、堪能できた。
秋吉久美子のデビュー作でもある と、その後知って、いったい どの場面に出てただろうか と、その興味も,もって今回見た。漁村の本好きの少女で 最後入水自殺するのが 秋吉久美子の役所だった。本当にまだ 少女の雰囲気。読書好き で、読んだ本によって 自分の世界観を複雑にしてしまうことなど、秋吉久美子にピッタリだと思った。
「旅の重さ」の主演の高橋洋子も、今はすっかり メディアでは見れなくなった。この映画を撮った時は、役と同じ10代後半だったのだろう、朝ドラ「北の家族」のヒロインを演じ、いくつかのテレビドラマ出演。「どてらい奴」にも出ていた。映画「サンダカン八番娼館」の主演までは 観ている。その後 小説「雨が好き」を書いて 中央公論新人賞を得て 作家デビュー。その後の事は知らない。ネットで検索すると 同じ名前で 歌手が出てくる。この 映画のみずみずしい高橋洋子を記憶にとどめ置きたくもあり、もう 出ないほうがいい というのは 彼女に失礼だな。
青春時代にみて わくわくしたり どきどきしたり 心を揺さぶられた映画が またいつでも見れるのは うれしい。「サード」や「遠来」秋吉久美子の「赤ちょうちん」「妹」ちょっとマニアックだけど「書を捨てよ 町へ出よう」ほか「ヒポクラテスたち」「しのぶ川」「道頓堀川」など、懐かしくてまた見たものもある。
再鑑賞を待ち望んでいる「純」「祭りの準備」も いつか見れるかな。

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